コラム

「ターンオーバー」は美肌を守る肌サイクル

このエントリーをはてなブックマークに追加

肌ケアを正しく⾏う上で⽋かすことができない「ターンオーバー」の正常な働き。
よく⽿にする「ターンオーバー」について、基本的な仕組みから肌への影響、ターンオーバーを整えるために取り⼊れたい対策をご紹介します。

美肌づくりに⽋かせない「ターンオーバー」の仕組みと期間

肌の「ターンオーバー」とは⽪膚でおこなわれる新陳代謝のことで
肌細胞の誕⽣から、その肌細胞が肌表⾯の⽪膚として現れ、剥がれ落ちていくまでの
⼀連のサイクルのことを⾔います。

『ターンオーバーの仕組み』

① 肌細胞の誕⽣
肌は奥から表⾯に向けて「⽪下組織」「真⽪」「表⽪」の 3 層になっています。
そのうちターンオーバーが起こるのは「表⽪」の部分だけです。さらに、「表⽪」は 4 層構造になっていて
⼀番奥が「基底層」で⼀番表⾯が「⾓質層」と呼ばれています。
まず肌の細胞は、真⽪と表⽪の境⽬にある「基底層」で、真⽪から栄養分や⽔分を吸収しながら細胞分裂を繰り返すことで新しい細胞をつくりだされます。
② 肌細胞の成⻑
基底層で誕⽣した肌細胞は毎⽇分裂を繰り返しながら形状を変え、上(表⾯)へ上へと押し上げられていきます。
基底層→有棘層→顆粒層→⾓質層の順に表⾯へと移動し、⼀番表⾯の⾓質層ではおよそ 0.02 ミリ(ラップ 1 枚分程度)の薄い⽪膚へと成⻑していきます。
③ ⾓質層として剥がれ落ちるまで
⾓質層では、⽪膚は核をもたない「死んだ細胞」となり、最終的には剥がれ落ちていきます。
この「剥がれ落ちる」までがターンオーバーのサイクルです。
⾓質層では、細胞は⽇ごとに「古い⾓質」となり、次に下から上がってくる新しい「⾓質層」との⼊れ替わりを待ちます。
剥がれ落ちるのを待つ⾓質層ですが、ターンオーバーの最終段階となる⾓質層の役割は⾮常に重要です。⾓質層を良い状態で維持し⾃然と剥がれ落ちるまでのサイクルを保つことで健康的な肌状態を保つことができます。

このように「ターンオーバー機能」が正常に維持されることで、私たちの肌は
「肌の潤いを保つ」「肌バリア機能を維持する」ことができるようになり、肌が守られます。

ところが、この「ターンオーバー機能」は、様々な要因によってサイクルが乱れてしまい、
「くすみ」「カサつき」「キメの乱れ」「シワ」「シミ」などの肌トラブルを引き起こしてしまうことがあるのです。

ターンオーバーの乱れとしてまず挙げられるのが
「ターンオーバーサイクル」にかかる期間の乱れです。
特にターンオーバーは年齢と共にサイクルが⻑期化します。


20 代で約 28 ⽇
30 代で約 40 ⽇
40 代で約 55 ⽇
50 代で約75 ⽇
と、年齢を重ねるごとに時間が多くかかるようになります。何も対策をとらないでいると、肌を守る⼒が弱くなった古い⾓質で肌へのダメージをブロックしなければならず、⼗分に肌を守ることが出来ません。

また⼀⽅で⾒落とされがちですが
「ターンオーバーのサイクル」の期間が⼗分に確保できないことも肌トラブルにつながります。
特に敏感肌や極度の乾燥肌などの⽅は、⼗分な時間をかけて肌細胞を成⻑させられず、肌のバリア機能が成熟しないままの肌細胞が表⾯に現れている場合があります。
保湿成分のセラミドや潤い成分が不⾜したままの状態なので、肌へのダメージに対して敏感になり炎症を起こしたり⾚みが出たり、アレルギー反応が過敏に出てしまいます。

「ターンオーバー機能」を整えるために必要な条件とは

正常に保ちたい「ターンオーバー機能」。
そのためにはターンオーバー機能を維持するために必要な「栄養素の補給」と、それらの栄養素を運搬する「⾎流」を整えることが⼤切です。

まずターンオーバーに必要な栄養素としては
⼈の細胞の基本成分であり、肌弾⼒成分コラーゲンの源となる「タンパク質」エネルギー代謝を助け、肌のターンオーバーにも関与する「ビタミン B群」代謝を助け、不⾜すると薄⽑にもつながる「亜鉛」などが挙げられます。
これらの栄養素を含む⾷事やサプリメントを積極的に継続的に摂ることでターンオーバーの促進につながります。
また、
「⾎流」を整えるためには
ビタミン C、ビタミン E、ポリフェノール、コラーゲン、βグルカン、などが有効です。

さらに注⽬したい「⼥性ホルモン」と「ターンオーバー」の関係

「ターンオーバー」を整えるためにさらに注⽬したいのが「⼥性ホルモン」です。
特に年齢とともに⻑期化するターンオーバーのサイクルをサポートするために知っておきたいデータがあります。

❞視線を浴びる、背中・デコルテ・ひじ・ひざ・⼿などのボディのスキンケアは、
⼥性ホルモンが表⽪細胞の⽣成、成熟、剥離のいずれにおいても重要な役割を果たし、表⽪ターンオーバーの促進に関与していることが明らかになった。❞
引⽤▶▶萩原 康⼦(神⼾⼥学院⼤学⼈間科学研究科博⼠前期課程修了⽣/神⼾⼥学院⼤学
⼈間科学部環境・バイオサイエンス学科)

この論⽂にもあるように
「⼥性ホルモン(エストロゲン)」がターンオーバーの促進に関与しています。
40 代頃からの⼥性ホルモンの減少が、ターンオーバーを⻑期化させてしまい、肌のバリア機能も低下してしまいます。
⼥性ホルモンの減少は⽌めることはできません。
ですが、減少のスピードを緩やかにしたり、減少による肌への影響をフォローするような対策を取ることで、ターンオーバーの乱れは抑えることができます。
・良質なたんぱく質を含むバランスの良い⾷事
・ホルモン分泌に関与する⾃律神経を整えるために必要な良質な睡眠の確保
・⾎⾏や代謝に有効な軽い運動
など、⽇常的に気を付けてみてください。

「ターンオーバー」のリズムを上⼿につくって美肌サイクルをキープ

⽇々のスキンケアに加えて「ターンオーバー」のリズムを整えることを意識した習慣を取り
⼊れることで、いつものスキンケアにも相乗効果が期待できます。
「ターンオーバー」のリズムを整えることは、⻑期的に美肌を維持する対策にもなるため、いくつになっても若々しい透明感のある美肌でいられるコツでもあります。
ぜひ、積極的にターンオーバー対策を取り⼊れてみてください。
スクリーンショット 2017-11-21 18.03.24

関連する他の記事